韓国旅行記 ソウル スウォン 2010年3月

 3月18日(木)

 9時起床。昨日スウォンを歩いたから、今日は昼寝をしたりして、気を抜いて過ごすことにした。

 昨日見つからなかったナンデムンまで歩いてみた。ナンデムン通りをソウル駅に向かって歩いていくのだが、車道のど真ん中に白いタテモノのようなものが立ちふさがっている。南大門、見つからないはずだよー。その白いタテモノのなかにナンデムンがあるんです。工事中か修復中か、まあそういうことだった。2年前、京都の銀閣がやはり修復中だったのを思い出した。文化遺産にはこういうことがあるんですね。

 (帰国後、ネットで調べてみたら、なんと2008年に火災で全焼したのだそうです。)

 ナンデムンの市場だが、東京・上野のアメ横とか、そういう種類のものだろうけれど、活気と言うか喧騒と言うか、ものすごい雰囲気ですね。表通り以上に、地下商店街が見ものでした。ちょうど昼飯時で、店員さんたちが店の前にキムチやご飯をたくさん広げて、みんなで食べている。飲食店もあったから、どさくさにまぎれて食べてこようかと思ったが、きのう1日スウォンを歩いた翌日で、よく眠れたけれどくたびれてもいたから、ぶらぶら見て歩きでした。

   その「見て歩き」の感覚で、ナンデムンから歩いて5分ほどのところにある、ソウル市立美術館に行った。いわゆる現代アートの美術館だが、なんだかこじんまりしていて目立たない。特別展が2つ。ひとつはアンディ・ウォーホールのかなりまとまった展示で、もうひとつは韓国の「チョン・ギョンジャ(Chun Kyungja)」 という女流作家の、やや小ぶりな展示だった。こちらのほうは、おそらく韓国の地方の田園風景を描いた油彩が主体で、地味だった。ウォーホールをまとめて観るのは初めてだが、一応知っている作家だということ、ともかく大人物には違いないということははっきりしている。ただ、ぼくは特別にウォーホールのファンではなくて、8年前にニューヨーク近代美術館で観たゲルハルト・リヒターの特別展示のほうがインパクトが強い。常設展はほとんど韓国の作家の作品だろうが、あまり韓国特有ではなく、世界中のアートに共通のコードが読み取れそうな感じだった。

 昼食はしじみカルグッス。日本のアサリぐらいの大きさの貝が入っている、薄味スープのうどん。ぼくは薄味のスープが大好きだが、さすがに毎日4000ウォンか6000ウォンぐらいのを食べていると、飽きてくる。そうかといって、高価なものやしつこいものはたまにでいい。ということで、夕食はセブンイレブンの弁当と絹ごし豆腐、ビールでした。日本のように消費税がないから買い物はしやすい。

 近所の画廊を観て歩いた。ファッショングッズ屋や観光みやげ品店のあいだを縫うように、または紛れ込むように、現代絵画が置いてある。画廊に入ると静かになり、まじめな顔の職員さんがいる。

 温かい抹茶ラテがうまかったなあ。



3月19日(金)

韓国旅行記 目次

太鼓堂トップページ