8月24日(土)

 08時15分。成田空港第2ターミナル、72番ゲート。昨晩寝ようと思ったら、スーツケースの南京錠がどっかへ見えなくなっていて、空港で新しいのを買った。800円ぐらい。これで、ぼやぼやしてて寝付いたのは今日の早朝03時近く、んでー、05時半にはモーニングコールが鳴り、06時に朝食、大変おいしいバイキングだったが、空港行きのバスが15分後に出るので、ごく軽く、速攻で食べた。成田空港に知人を迎えに来たという感じのいいお姉さんとしばらく話をしていたら、寝ぼけてて食券とルームキーがどっかへ行っちゃうなどした(テーブルの上に置いてあっただけでした)。

 出国審査は全自動の機械があり、パスポートをスキャンして、顔認証して、無人でOK。大したもんですね。Free Wi-fi も発達したもので、パスワードの入力なんか必要なし。チェックインも自動の機械があって、フライトナンバーなど入力したら搭乗券が出てきたが、「Travel Document」とはなんぞや?チェックイン・カウンターで訊いてみたら、パスポートを指さして「こちらです」とお姉さんは言うのだが、何が「こちら」なんだろうか。

 日本時間11時過ぎ、機内にて。機内食を食べたあと。「チキン」が乗ってる麺類そのほか。朝はごく軽かったので、これでちゃんと食べた。2度ほど乱気流で、ちょっと揺れたが、概して快適です。ただ、隣の席にガキがいて、床を脚でどかどかやるのが不快。それとたぶんこの子が発する変なにおいがあって、やや迷惑な環境です。この坊や、出発からずっと機内のアニメーションを見っぱなしだが、どこの国でも子供はこうなのか。

 エコノミーでもWi-Fi はつながるみたい。でもキャセイ・パシフィックのサイトでアカウントを作んなきゃいけないようで、面倒だからやめよう。…と思ったら、この接続は有料だ。60分9.95ドル。

 香港まで1時間を切って、飛行機が高度を落とし始め、いまはあと30分で着陸です。座りづくめでちょっと退屈、少しの揺れの「不快感」も、じつはだんだん飽きてくる(笑)。窓から海が見え、船が見える。この着陸の時間が好きですが、耳がおかしくなるのは、まあしょうがないか。

 香港に着いた。現地時間正午過ぎで、ここで乗り換え。昼飯を空港内の中華屋さんで、ただし香港ドルは持ってないし、両替するつもりもないから、アメリカン・エクスプレスで88香港ドル。ところが「PIN」の入力が必要とのことで、何のことだかわからず混乱。暗証番号?だしぬけに「PIN」と言われ、暗証番号が思い出せない。お店のおねえさんが「サイ?サイ?」と訊いてくるんだけど、「サイン(sign)」のことですか?よく知らないが野菜とチキンのラーメンにはありつけた。けっこうなラーメンでしたよ。

 香港で4時間ほど待つ。オレンジジュース24香港ドル、これもアメリカン・エクスプレスだが、「PIN」は必要ない。なんだろう。ワシントンDCから来たという女の子が、ここでは米ドルは使えるのか、とぼくに訊いてきた。ぼくも事情がよくわからないからアタマが混乱していると言うと、女の子曰く「expensive 高いのよ」。これからタイに向かうそうです。ぼくはカンボジアに行くと言ったが、彼女はカンボジアを知らなかった。英語でもカンボジアでいいんじゃないかな。

 香港空港の構造がわからず、乗り換え口がわかるまでふらふら2時間をつぶしていたという話で、ただいまシェムリアップ行きのキャセイ・ドラゴン機内です。ほとんど揺れず、かなり安定したフライトです。2年前のタイ旅行の時も、帰りのフライトは、空中で止まっているような感じだったが、ただいまもそのたぐいの、非常に静的な印象です。今日は香港まで(ここでパソコンのバッテリーが切れました。)

 カンボジア、シェムリアップ空港、午後7時着。空港を出るときに当然出国審査はあるが、空港全体に神経質な空気がなく、時間はゆっくりというより、ややだらだら流れている。今回の旅行を案内してくれるトゥクトゥク(屋根付きの自動三輪バイク)の運転手の Polin さんが迎えに来てくれていて、街の中心まで移動。8ドル。小雨で、舗装していない道路は水たまりができている。トゥクトゥクに乗って街を見渡して、根拠はないけど、ヒットした感じ。そのヒットも、儲けもの、という感じとは違って、なんだか懐かしい感じがする街並み。

 シェムリアップ行きの飛行機に乗るとき、実を言うと、そのまえの香港までのフライトがちょっと揺れたので、次の飛行機もまた揺れたら不快だなあと思っていた。ところが、不思議なほど、まったく揺れなかった。ものの本によれば、飛行機は気流の上を飛んでいるから、乱気流だと凸凹道を走っているようで、揺れはするけれども、それでどうということはない、とのこと。気流というものが、道路や電車の線路となぜ同じなのか、考えながら乗っていたけれど、飛行機の客としては、気流が道路で、飛行機はその上を飛んでるんですというイメージを描くだけで、さしあたり充分だと思った。飛行機が揺れることはある、でも、まったく揺れないフライトもあるので、飛行機揺れについて固定観念を持つのはやめよう。香港からのフライトは、うっとりするほどエレガントで、着陸も丁寧・慎重この上なく行われ、って誇張ではない、事実を書いているのです。なぜ気流が道路の役割を果たすのかは、専門的なことなんでしょうから、あとでちょっとだけ調べてみよう。

 旅行では、いろんな状況の中で迷う。初めて来た街の様子がわからないと、空気が読めなくて戸惑ったりする。ぼくは、迷ってはいけないというように、自分を責めることはないと思ったんだ。



8月25日(日)

目次

太鼓堂トップページ