韓国旅行記 ソウル スウォン 2010年3月

 3月17日(水)

 8時半起床。

 スウォン(水原)の街へ行きました。ソウル駅からスウォン駅まで、直通列車ムグンファ号で30分。4700ウォン。つまり、往復でアバウト10000ウォン。(持ってきたガイドブックの記載より高いが、指定席でたしかそのくらい。もっと安く行ける交通手段もあるが、ラクをしました。)

 ホテルからソウル駅までは2キロある。けっこう歩くだろうなと想像していましたが、案の定、道に迷った。地図によれば、地下鉄のジョンガク駅まで出たら左折するとナンデムン(南大門)通りで、あとは1本道のはずなんだ。それを途中で左に折れてしまったらしい。第一、その「ナンデムン」なるものが見当たらない。混乱しましたね。20分か、ゆっくり30分ぐらい歩くだろうと思っていたら、迷ったせいで1時間以上歩いた。まあでも、「南大門市場」と呼ばれる界隈は見つかって、そこを通り抜けて、ソウル駅に無事到着。「アンニョンハセヨ」「ソウルヨク」「スウォンヨク」「チュ」「ミアンハムニダ」「チュウェソンハムニダ」「モルゲッソヨ」「カムサハムニダ」しか知らなかったが、案内の女の人が片言の日本語をしゃべってくれたおかげで、スムーズに列車に乗れた。

 スウォン駅からパルタルムン(八達門)まで歩いてみたら30分あった。予想通りでした。(観光案内とバスを使う手もある。)コンビニのおばさんに道を訊いて("オディ パルタルムン?"とやったら通じた)、おにぎり2つとコーヒーを買う。「これをくぐるとスウォンファソン(水原華城)があるんだな」と思ってくぐったのは、まったく、ぼくの勘違い。門の向こうも商店街なんだ。(外国旅行で、たまにこういうとんちんかんな行動をやらかす。なんでだろう。)この街の「中を」、未完成の城壁が円を描いて通っていて、一周すると約2時間、ということなんです。すごくダイナミズムを感じる街のつくりだよね。これが観光客や地元住民のウォーキングコースになっている。城壁の入り口はパルタルムンの左側の小路を入ったところにあった。逆に歩いてもかまわない。とにかく、ぼくは門をくぐったあと、街の中をけっこううろうろして、結局、城壁の終着点付近にたどり着いた。そこから、城壁の大部分を歩いて、パルタルムンまで戻ったという次第。街の様子、民家や住民の表情も見ることができた。まあ、遷都が実現しなかった未完成の城跡というのはおもしろいものでした。現代の市街地と、1600年代の遺跡が渾然一体となって、不思議な感じがした。

 画面の奥にパルタルムンが見えます。

 歩くとこんな感じです。気温5度、曇り。

 頂上は標高300メートルぐらいではないでしょうか。

 昼食がコンビニのおにぎり2つだったので、城壁から降りて、街で何か軽く食べようかと思って、韓国語ばかりの食堂に入ってみた。正面の厨房に若い女の人がひとり、立ち働いている。ほかにはおばさんがひとり、携帯電話で話しこんでいる。どうしたものだろうかと思っていたら、厨房の女の人が何か訊いてきた。ぜんぜん意味がわからないので、壁に貼った品書きの、4000ウォンぐらいの一品料理を手で指差して見せたが、それはないと言っているのか、いま店は休みだと言っているのか、ぜんぜんわからない。とにかく、オーダーできないことだけはわかった。しょうがないから、格好悪いけど店を出てきました。

 城壁から降りたら、なんと雪が降ってきた。帰りの電車は午後4時43分発だったが、そのころには雪で外の空気が真っ白になり、駅の待合所にいても息が白くなった。1時間ほど電車待ちの時間があったので、サンドウィッチと缶コーヒーで暖をとった。なにしろ、手がかじかんで指が痛いんですよ。ついでにスウォン駅のモールをざっと見たが、食堂も衣服店も欧米風。ただ、本屋だけは、ぼくはハングル文字が読めないから、しょうがなかった。

 ソウルに戻り、夕飯はホテルの近所のレストランで、「韓国風の雑煮」と日本語で書いてあったもの。それからビール。雑煮は、薄味のスープの中に、ぼくは食べたことがないけれどすいとんのような形をしたものが入っている。きのこ(たぶんしいたけ)とか、ねぎの類、にんじんの千切り、溶き卵そのほか。5500ウォンで、取り組んでみたら見た目よりかなり量がある。まあ、ゆっくりしましょうということで、40分ぐらい食べていました。これ、おいしいです。「おいしい」を韓国語でなんと言うか、食べる手を休めて韓国語のガイドブックを見てみたら「マシッタ」。お店の人に言いたくなったら、びびりましたよ。そのまえに、料理を味わい、お酒を飲んだら酔うことですね。気に入ったんだからゆっくり味わいましょう。「マシッタ」は言ってもいいし、別に声を張り上げて言う必要もない。言いたかったら言えばいい。

 でも率直な話、語学を予習して気合を入れて入国するのもいかがなものかと思った。アメリカなんかではレストランで料理をほめるのは当然のマナーみたいな場合があるが、ほんとにほめる場合、歓声を上げることもあるけれど、静かにほめる、ときには黙ることもあるんじゃないだろうか。

 雪は降り続いて、ソウルでは積もっています。



3月18日(木)

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