ざっと歩いてみようと思って出かけ、やっぱり初めての街というのは土地勘がうまく働かないらしい。お寺で、たぶん朝のおつとめだと思うんだけど、オレンジ色の僧侶服を着た大勢の半裸のお坊さんたちが、本堂(だと思うよ)の金ぴかの巨大な大仏の前でお経を唱えている。室内は扇風機が回っていて涼しかった。
だいぶぐるぐると戻る道を探して、ホテルの近くの屋台のようなお店でチキンが入ったマッサマン・カレーを食べた。260バーツ。どうなんだろう、このへんは観光客がわりと多いから、日本とそう変わらない値段なのか、それとも、もっと安い店は、安いなりの料理を出す、ということなのか、よく知らないけど、ぼくが食べたマッサマン・カレーは、日本で食べてたものほど「甘くなくて」、OKでした。
いちばん感じるのは、改まった国際性のようなものが全然ないことですね。もちろん、今いる場所は、バンコクの中心からちょっと外れたところだから、中心に行けば高級ホテルが立ち並び、民族音楽のショーが繰り広げられているんではないかと想像しますが、今日のところは近所の見学だけでもかなり面白い。どのように面白いかは、ちょっと説明しにくいが、このメモで書けることは書いておこうと思います。
暑さをどうするか、ホテルで昼寝してしのごうか、などと考えたが、それほどくたくたになってるわけでもないので、ワット・プラケオという名前の、タイの王宮を見に行った。ホテルの人が道順を教えてくれて、15分ぐらい歩けばいいんですが、身分証明が必要だと知り、ホテルにパスポートを取りに戻った。去年の10月に国王が亡くなり、ぼくがタイに来るちょっと前に、天皇陛下が弔問のためバンコクに滞在されたことは、皆さんご存知でしょう。
そういう王宮だから当然かもしれないが、団体ツアーの人たちが行列を作って、なんだか騒然としていた。黒い服の人がやけに目立つな、お葬式かな、と思っていたら、王宮の中の博物館のような施設に入るのに、ショートパンツや短いスカート、半袖の上着は良くなくて、どうやら入場を断られるらしい。こう言っちゃ悪いけど、いったいに時間がゆっくり流れている街の中で、この王宮の周囲だけがやがや、がちゃがちゃしていた。その騒然とした雰囲気の中で、国王のお弔いらしい献花をして額を寺院の床にすりつける人や、バリのガムラン音楽にちかい伝統音楽や舞踏を披露する人たちがいた。音楽や舞踏のほうは面白かったけれど、どうもこの喧騒には違和感を感じて、博物館のような施設はまだ見てない。500バーツ、1500円ぐらい払うと見学できるんだけど、どうもがやがやした雰囲気になじめなかった。今回の旅行で時間が余ったら訪れる、でいいんじゃないかな。
王宮の外で「Penywarts Juice」というものを売っていて、氷が入って量も多くて、抹茶のような味で20バーツ、たいへんけっこうでしたが、penywarts ってなんだろう?売ってるおばさんに英語で聞いてみたんだけど、お代わりがほしいと言っているように聞き間違えられ、もう1杯いただきました。計40バーツ。
昨日も書いたけれど、妄想観念みたいなものは働く余地がありませんね。どうも日本にいて自分の周囲を見渡すと、忙しすぎる印象がある。ヒマにすればいいと言っているわけではなく、ものは単純なほうがいいと決めつけているわけでもない。ただ、不自然なのはいやだなあ。それから、ゆとりやユーモアのないのもよくないなあ。
この界隈は日本人は見かけないが、欧米の人はわりあい多い。それで、レストランのメニューも英語表記が多いし、メニュー自体もパスタとかピザとかトーストとかいうように、いわゆる洋食を用意している店がかなりある。タイ料理店で、メニューが英語表記という店で、夕食にシーフードのグリーンカレーとビールを頼んで、トータル300バーツ。カレーじたいは220バーツぐらいの料理で、うまかったよ。それで、お勘定を済ませ、ついでに、という感じで、日本で買っておいたタイ語の日常会話の中の1ページを開いて、店のおねえさんに「これはどう発音するんですか?」と訊いてみた。が、彼女も、店の中のタイ人男性のお客さんも、この本の内容がわからないと言っていた。ぼくが訊いたのは「アロイ・マー(ク)・クラッ(とてもおいしいです)」というのだが、実は昼飯のレストランでも同じことを訊いてみたんですよ。やはり伝わらない。ホテルに帰ってフロントのお兄さんに聞いてみたら、あー、それわかるわかるって笑ってましたけど、何がわかるんだろう。ぼくの発音のせいなのかどうだか、判断材料が不足していますが、旅行ガイドブックをうのみにしないほうがよさそうな気配だな。あとでいろいろ話していたら、「アロイ!」っていうとわかるらしいね。
コミュニケーションで面白かったのは、ワット・プラケオに行くとお巡りさんがいて、パスポートの提示を求められるんですが、「エ、ム、ラ…」とたどたどしくアルファベットを追っておられるので、「エ・ム・ラ・ナ・ツ・キ」とこっちから名乗ったら、その場にいたお巡りさん3人ぐらいが爆笑した。何が面白いのか知らないが、こっちも付き合って爆笑しました。
そういうわけで、明日朝早く起きて07時に団体ツアーでアユタヤに行くことになりました。ここのホテルにあるツアー企画会社(がたぶんあるんだろう)に600バーツ払って、アユタヤ日帰りツアーをお願いすることになりました。なので今日は早く寝ますよ。しかし、600バーツ≒2000円で、9人のツアー客がワゴン車で行くそうなんですが、どうなるのかね。